緑ナンバー取得の条件とは?
緑ナンバーの取得条件には下記の7つがあります。
- 必要な資金
- 必要な資格
- 申請者の要件
- 車両要件
- 施設要件
- 車庫の要件
- 役員法令試験
ひとつずつ、詳しくご紹介します。
【条件①】 必要な資金|事業開始にどのくらいかかる?
緑ナンバーの取得、すなわち事業開始には1,500万円~2,500万円程度が必要とされています。
事業開始時には、下記に挙げる資金を賄えるだけのお金を口座に用意し、金融機関から残高証明書を取得して事業資金を確保していることを示さなければなりません。
事業開始に必要な資金の例
- 従業員の給与
- 自動車保険料
- 税金
- 営業所や車庫の賃料
- 車両に関する費用
【条件②】 必要な資格|運行管理者・整備管理者の要件
緑ナンバー取得には、運行管理者と整備管理者の資格が必要です。
ただし、申請者本人がこれらの資格を取得する必要はなく、資格を持つ人を雇用して要件を満たすことも可能です。
各資格の取得要件は下記の通りです。
運行管理者 |
整備管理者 |
下記2つの要件のいずれかを満たすこと
- 運行管理者試験に合格
- 5年以上の実務経験を有し、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していること。
ただし、5回以上の講習のうち、1回は基礎講習を受講すること
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下記2つの要件のいずれかを満たすこと
- 自動車整備士3級以上の有資格者
- 2年以上の実務経験を有し、かつ地方運輸局長が行う研修を修了していること
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運行管理者については、こちらの記事でより詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
【条件③】 申請者の条件要件|欠格事由と人員要件
緑ナンバー取得には申請者に条件が設けられています。
申請者とは、個人事業主の場合は本人、法人の場合は役員全員を指します。
申請者には全員が未成年者でないこと、懲役・禁固などの法定刑や事業許可取り消し処分を受けてから5年が経過していないなどの欠格事由に該当しないことなどが求められます。
運転者・運行管理者・整備管理者の具体的な要件
緑ナンバー取得に必要な人員要件として、運転者・運行管理者・整備管理者の条件をまとめましたのでご確認ください。
運転者の要件
- 緑ナンバー取得後に使用する車両にあわせた運転免許証を持っていること
- 日雇い契約でないこと
- 2か月以内の期間を定めて雇用されていないこと
運行管理者の要件
下記2つの要件のいずれかを満たすこと
- 運行管理者試験に合格
- 5年以上の実務経験を有し、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していること。
ただし、5回以上の講習のうち、1回は基礎講習を受講すること
整備管理者の要件
下記2つの要件のいずれかを満たすこと
- 自動車整備士3級以上の有資格者
- 2年以上の実務経験を有し、かつ地方運輸局長が行う研修を修了していること
人員は派遣社員でもOK?
緑ナンバー取得に必要な人員に雇用契約の条件はありません。
したがって、要件を満たしていれば派遣社員やパート・アルバイトでも問題ありません。
ただし、運行管理者は稼働時間中は営業所に常駐する必要があります。
【条件④】 車両要件|車両の台数と種類
緑ナンバーを取得するには、対象となる車両を5台以上用意しなければなりません。
運送業者の場合、車検証に記載されている「用途」が貨物である車両を用意します。
この際、軽自動車は対象外ですので注意してください。
また、以下のケースにおいては車両台数が5台未満でも緑ナンバーの取得が可能です。
条件 |
詳細 |
霊柩車を使用する場合 |
霊柩車を用いた運送業務では、1台からでも一般貨物自動車運送事業の許可を取得することが可能。 |
一般廃棄物処理業の場合 |
一般廃棄物処理業は、1台からの許可取得が認められている。 |
離島など特定地域で 運送業を行う場合 |
貨物輸送の需要が少ない離島などの特定地域では、1台からでも許可が下りる場合がある。 |
災害や事故による 車両の使用不能時 |
災害や事故、故障などにより車両が使用不能となり、代替車両を確保するまでの間、一時的に5台未満となることが認められるケースがある。 ただし、経営上の都合や代替車両の確保時期が未定の場合は認められない。 |
【条件⑤】 施設要件|事務所・休憩室・睡眠施設の確保
緑ナンバー取得には営業に必要な事務所と運転者が休憩するための休憩室を必ず用意しなければなりません。
睡眠施設については業務上必要な場合のみ設ければよいとされています。
いずれの施設についても都市計画法や農地法、建築基準法などの関係諸法令に抵触していないことが条件となるほか、施設内に必要な設備が整っている写真の提出が必要です。
【条件⑥】 車庫の要件|駐車場(車庫)の基準
緑ナンバー取得には、駐車場(車庫)の用意が必要です。
具体的には車両と車庫、および車両同士の間に50cm以上の間隔を確保しつつ、最低車両台数の5台分以上の駐車スペースを用意します。
他に、下記の要件を満たす必要があります。
- 事務所と車庫の直線距離が10km以内(地域により5kmまたは20km以内)
- 出入り口前の道路が車両制限令に抵触しない
- 都市計画法、農地法などの関係諸法令に抵触しない
【条件⑦】 役員法令試験|役員法令試験とは?
緑ナンバーの取得では、申請書類を提出後に役員法令試験の受験が義務付けられています。
この試験に合格しないと事業許可は下りません。
試験は2か月に1回実施され、正解率80%以上で合格となります。
受験者は1申請に対して1名のみ。
申請者が個人事業主の場合は申請者本人、法人の場合は専従役員が受験します。
不合格の場合、2か月後に行われる試験を再受験しなければなりません。
2回目の試験も不合格だと申請自体が却下されます。